感想文「完結編」(3)

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(3)でんでん虫長男登場!



 そうしている間にも、ヤマトは付近の宙域に不思議な移動天体を発見します。少年の星は、その回遊惑星「アクエリアス」からの水によって水没したのだと推測されました。

 アナライザー「回遊惑星ハ、ソノ質量カラ巨大ナ水惑星ト思ワレマス。現在、アクエリアスハ光速ノ1/2デ太陽系ヘ向カッテ進ミツツアリマス…」
 ただし、この水惑星は巨大な軌道を描いているため、地球への最接近は6000年後と推測されました。まあ、6000年も経ってりゃ、その頃の地球人類は対策をちゃんと立てて、安全にアレをやり過ごすことが出来るでしょう。

 その古代からの分析結果報告が、地球のメガロポリス・防衛軍本部へ伝えられます……(余談ですが、なんつーでかい都市に発展したんだろうね、メガロポリス。トーキョーとは思えん。…東京湾全部埋め立てたんだろうか・w)
 その中心部に聳えているのが、防衛軍本部。

長官「古代へ打電しろ。任務完了、直ちに地球へ帰還せよ、とな」
 その長官の後ろには、森雪が。
 うふ。古代クン。もうじき会えるわね…。


 ところが、帰還の途についたヤマトに、エラい災難が降り掛かります。
 滅んだ惑星から脱出した数隻の戦艦。
 それが、国籍不明の船『ヤマト』を発見し…なんと無差別に攻撃を仕掛けて来たのです。前髪にでんでん虫が二匹いなけりゃまあまあイケメン(w)、のルガール長男、「我らの前に立ちふさがるものはすべて敵!」というすごい理屈で、ハイパー放射ミサイルをヤマトに向けて発射。



<「はいぱー/ほうしゃ/みさいる」>

 どーでもいいですが。ハイパー放射ミサイル、の「はいぱー」のアクセント。
 変だと思った人、ハーイ。
 はいぱー、ってとこ、平板じゃないかな… 何かあのアクセントに意味があるのでしょーか。

 さて、ところがそのおかしな発音のミサイルは、ことのほか恐ろしい代物だったのです。

 直撃してただ爆発するのではなく、刺さった先端部から有害な放射能を巻きちらし艦を内部から汚染・破壊すると言う、ヤマト史上最も悪質な兵器。  
 しかし考えようによっちゃ、戦艦を動かしているのは中の人間なのだから、人間を仕留めてしまえば船はただの箱。賢いと言えば賢い……袂を分かったとはいえ、元が同じ地球人類なのだから、その悪質さ加減はどっこいどっこいかもしれません(波動砲も相手にとっては悪質極まりないやね・w)。ま、クラスター爆弾なんかの仕組みを考えると、地球人ってのはそもそも「悪質な輩」なのですよ、ハイ。

 でも、これねえ。
 ERIはこのミサイル見た途端、「無人艦隊があれば」と思ったですよ。無人艦隊が「永遠に」でポシャらなけりゃ、あんなミサイル屁でも無かったわけよ。だって、人間が中にいないんだもの。ハイパー放射がムダだもの、何本刺さったって平気だもの(w)。これはホント最初に、そう思いましたね。まあ、ヤマトはいつも単独行動ですから、この時はしょうがないんですけども……



「古代!このミサイルは通常攻撃とは違う!!」
 被弾した艦内の異常に気づいた真田さんが、古代に具申。
「全員に宇宙服を着用させろ!あのミサイルは、未知の放射能を送り込むんだ…!」
……宇宙服って、今回メットだけじゃない?違う?Part1他で使ってたいかにも松本零士デザインの宇宙服、じゃなかったよ?それとも、艦内服と同じデザインの宇宙服なの???手抜き?)w

 ここで、古代よりも操縦桿を手離せないだろう島が、とっても心配になったERIであります(w)。が。島はとっとと宇宙服に着替えてて、真田さんが投げたメットを古代が着けようとしたのが最後だったようで……

 その刹那、新たなミサイルが第2艦橋側面に着弾。
 衝撃と、放射能の充満に鳴り響くレッドアラート、それを聞きながら遠のく彼らの意識、…クルーたちは成す術も無く。
 コントロールを失ったヤマトは、どこかの小惑星へ引き寄せられ、岩盤の割れ目へと沈んで行きました——

 



<自動制御って〜〜〜!!>

 またしても、いきなりツッコミから行きます(w)。
 ここで、コントロール不能になったヤマトは「自動制御による帰港システム」が偶然始動し、地球へ帰還するんですが。
 艦首を下に向け、墜落状態で落ち込んだ小惑星の割れ目への、着地のショックでレバーが動いて、帰港システムのスイッチが入る…という描き方。アナ公が「ヤマトニハ、命ガアルノカ…?」なんて言ってましたがなんたるナンセンス!!
 
 あのさ。

 地球よりガルマン星に近い場所、だったよね?この辺って?
 あそこから、地球へオール自動制御で帰った、って?ん?
ヤマトはワープまでしながら、さながら幽霊船状態で冥王星を通過し、一路地球へと航行を続けたわけですが………

『そんな高度な自動操縦システムがあったなら、島はクビだろ!!』

 ええ、もう実家へ帰らせて頂きます、だよ、島。要らねえだろ、オレ!? 全部そいつにやらせといてくれよチクショー、ってなもんですよ、ええ。
 ワープも出来る、地球大気圏突入も難なくこなす。しかも、港の指定の位置にまで奇麗に入港。

 もう島要らなくね?

 アナライザーも要らなくね?

 クライマックスで、沖田さんが操縦して犠牲になる意味なくね??
 つか、沖田さんが「ワシが行く」と言った瞬間、「あの、ココの自動操縦はあんたより正確です(島より役に立ちます)」って言いたくなったよアタシャ。


 この映画見てて出た、2つめのでかいツッコミ、でしたね。このエピソードのおかげで、この後島が命をかけてウルクからヤマトを脱出させるトコ、そして沖田さんの決死の居残り作戦の二つが、「は?」というただの「お涙頂戴エピ」へと堕ちてしまいました……orz

 



<島の声について>

 さて、ツッコミ入れずには済まない最大のエピソード2つを終えたところで、最初から気になっていたコレ、行きましょう。

 「完結編」での島大介役は、「ささきいさお」さんでした。
 当時、この映画を観なくても良い…と簡単に割り切れた理由が、申し訳ありませんがコレです。

 島大介、と言ったら「仲村秀生」さんでしょう。いくらトーンが似ていると言っても、島がささきさんでは…… 他のシリーズ見たとき、主題歌聴いて「島、良い声してたんだ〜」(w)とか「島、歌、うまいじゃん」とか余計なことを考えそうです。

 なにより、仲村さんの声に惚れて島のファンになったと言っても過言ではないので、実は代役だった時点でERIにとって「あの島は別人」だったわけですよ。島のセリフ、第一声を聞いた途端「あ、これは島じゃない」とある意味で安堵したのは言うまでもありません。

 でも、現時点でERIが確認している「仲村秀生さんが島の声をアテている箇所」は、一ヶ所だけです。イコライザーまで引っ張り出して確認しましたが、一ヶ所だけ、録音状態がまったく違うところがあります。

 

 実はERIの手元には1979年2月21日放送(文化放送)の、ささきいさおさんがパーソナリティーを務めていらした「ペパーミント・ストリート」というラジオ番組のカセットがあります。これは、「ヤマト2」放映当時のもので、佐々木さんの番組に仲村秀生さんがゲストで呼ばれて登場した回なんですね…
 仲村さん本人をして「彼の声は似てるねえ!(ボクに)」と言わしめるほど……なのですが、いやいやいや、そんなはずは。

 確かに、その「ペパーミント…」を聴いていると、この私でさえ時々「あれ?今のはどっちが喋ってたんだ?!」ということが数回、ありますが、決定的に違うのは演技、そして「息遣い」なんです。

 もちろん、確かに一瞬すごく似てることもあります。ささきさんの、ヤマトが発進するまでの手順読み上げ、あれはとても「似ていました」。似せやすい台詞かもしれませんね、演技がいりませんし。

 ですが、感情の入る演技になった途端、息遣いが「斉藤始@ちょっと優しい声」になります。さらに後半で、負傷して辛そうな台詞では、「コンドルのジョー」になってますからね。最後に古代が抱いて号泣するのは、島じゃなくてジョーだかんね!(←頑なに・w 認めたくないヒト)

 当時、仲村さんはかなり重症の胃潰瘍を患っておられました。完結編の公開されるかなり前から(1983年3月公開でしたが、その前年の暮れにはすでに)面会謝絶の入院生活を送っておられ、完全看護にも関わらず病状の急変を懸念したご家族が、交代で夜間の付き添いに行かれるほど重篤だったのだとか…。とてもスタジオで収録など出来る状態ではなかったそうです。公開前に放送された完結編のラジオドラマでも、ささきさんが島役をやっておられましたよね。
 それでも仲村さんは公開直前に何度かお一人でスタジオまで出向かれ、「ここはどうしてもお願いしたい」といわれた箇所の収録をなさったそうです。
 でも使用されたのはおそらく一ヶ所。
「そうだ、ロケットアンカーだ……、発射…!」という一言です。
 
 Yahoo知恵袋とかで「どこを仲村さんがアテてるんですか?」という質問を見かけますが、大抵なぜか「圧搾空気バルブ!」のトコだと言う回答です。いや、あれはささきさんです…… その理由は、そりゃご本人に訊いたから、ってのもありますが(w)、あとでそのシーンにてご説明いたしましょう。



<ディンギル星人の元ネタは…>

 さて、話を元に戻します…

 国籍不明の宇宙戦艦(ヤマトのこと)をさっさとやっつけたルガール@長男(ホントはルガール・ド・ザール、って名前があるんですが…w)。
 彼は、故郷の星の最後を見届け、父・ルガール大神官大総統の待つ本隊、都市衛星ウルクへと戻ります。

 いや……
 どーでもいいけどこのウルクってさ。
 すまんけど、SDF1-マクロス(初代マクロス)にごてごてと岩やら建物やら山やらを乗っけるとああなる、みたいな感じがしませんでしたか…?(おい)。

 名前からすると、ギルガメシュ叙事詩に出て来る都市…がモデルなのでしょう。王の名が「ルガルなにがし」だというのも、そこから付けられたものみたいですが、ディンギルというのはどこから出たネタ?まるまる創作ですかね。この後の、洪水で全滅しかけたはるか昔の地球人類…という大神官の話から、ああやっぱ何となくギルガメシュ叙事詩なんだな、と思えるのですけどね。



 ともあれ、「都市衛星」。しかし、この後の大神官大総統の台詞では、このでかい都市に、彼は自分の女房も小さい息子も乗せてやらなかったようなんです。身内さえ切り捨てて飛んだこの衛星には、マトモな市民(民間人)の姿はどうもあんまり見えなかったようなのですが、なんなの?軍事都市なの?

 さて、この巨大な都市衛星ウルクは、水没した故郷ディンギルを捨てて、アクエリアスに並んで航行しています—— 戻って来たルガール@でんでん虫長男、見届けたことをルガール@オヤジに報告。

長男「…我が母星ディンギルは、爆発し消滅しました。…おそらく、母も…弟も共に…」
オヤジ「この世は強者のみが栄えるためにある。…弱い老人や女子供など、滅びて当然!」


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4)ヤマトいちワルなオヤジ につづく