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(2)むさべつわーぷって、おいこら。
<ERIのツッコミ。>
……ハイ、出ました。
無差別ワープ、って、ちょっとアンタたち………
23年無視していて、改めてこの映画観た時の最初のツッコミが、これだった(w)。まあ、今までもワープアウトポイントに敵偵察機が居て、轢いちゃった、なんてことはありましたが(「2」19話)、そこに惑星でもあった日には双方お陀仏です。しかも島、「実写版」での緒形@島ほどの躊躇も葛藤も見せてない。
も、いーや、やっちゃえ、えい、ってなノリでやってくれましたね航海長……無差別に?!
しかも、
無事ワープアウトした時の台詞がこれ。↓
相原 「ああ、…助かった!でも、ここはどこなんだ…?」
島 「負けたよ、古代。お前の言う通りだった」
古代 「いや、ヤマトが頑張ってくれたんだ」
……なんなのこの、SFとも思えない台詞の応酬は。
「ここはどこ?」って!!
…真田さん〜、過去の例いくらでもあるんだから、常時20〜100宇宙キロ程度の短距離範囲で、退避用の安全なワープアウトポイントを算出する自動観測装置くらい作っておこうよ!!しかも、ガルマン・ガミラスへはちょっと前に一度来てるんだよ?そこは未知の宇宙空間じゃないんだよ??地球からの往復航路図も出来てたでしょ?(なんで真田さんに説教!?)
しかも島!
勝ち負けじゃないでしょ!全員の生き死にの問題でしょ!!
その上古代!!
「ヤマトが頑張ってくれた」ってあんた!ヤマトはナイト2000か、っつの!!しかもヤマトの諸君、キミらは軍隊なんだよね?指揮系統メチャクチャだよ、相変わらず!!
…ハーフー、……おちつけ。
まあ、ともかくヤマトは無事ガルマン星の壊滅からは逃れたわけです。が、「ここはどこ?」ってのはナイよね。ワープしたからには、入力した銀河座標があるわけじゃん。
ここで、「実写版SBヤマト」ノベライズから興味深い引用を。
ご存じ、SBヤマトでも無差別ワープをやらかすシーンがあります。SBヤマトの方が、よりによって完結編のこのとんでもないシーンをオマージュとして入れ込んだのだ、というのは想像に難くないですが(w)…。
映画ではキムタク古代が無作為に座標入力をしたように見えてますが、ノベライズによると、そうではないんです。
あの無差別ワープについては、
「最後のワープの座標軸を反転させて(ヤマトを)転移させた」
と島が言っているんですね。だから、「おそらくイスカンダルの裏側にあたるはずだ」と大体の場所も答えています(小学館文庫SBヤマトノベライズ/P.196)。いくらなんでも、まるまる無差別ってのはナイよ。「ここはどこ?」なんて言ってるのは相原だからまだいいけど、島には大体の場所が分かっていたと考えられます(っていうか、そうでなきゃ困るから!!)。
さて……
どこだか知らんがヤマトのワープアウトした場所のほど近くには、ある惑星が存在していました…
しかし、様子が変です。何かここも、災禍に見舞われたような雰囲気。
古代「メインパネルに投影!」
プローブか探査衛星を飛ばして偵察したその星の地表には、恐るべき光景が広がっていました。
相原「……すごいスケールの洪水だ!」
島 「ものすごい規模の気象変動が起こったんだな……」
探査衛星の捕えた地表の様子は、高波にさらわれて崩れ往く大都市の映像です。その星のどこもかしこもほぼ水没し、神殿様の高い建物のてっぺんに辛うじて逃げ延びている人々が見えました。 艦長の古代は、矢も盾も堪らなくなって叫びます。
古代「島、前方の惑星に降下しろ!」
島 「あの惑星に?」
古代「そうだ、早くしろ!溺れている人たちを見捨てて行けるか…!!」
<いや、それアブナイから。>
<ERIのツッコミ。>
まあ、偶然生存者を見つけたから、古代は「降りろ」と言ったんでしょう。でも、その他の都市はどうだったんでしょうか。すべてが水没していて、あそこが最後の高台だったんでしょうか。…にしても、今回ヤマトはやたらとあちこちに「着水」「着陸」しますが、その度に大きな被害に見舞われてませんか。
水深も分からないし波の勢力とヤマトの質量とを考えても、惑星規模の洪水の起こす波浪に300メートル程度の軍艦が安穏に浮かんでいられるでしょうか。
島は、「降りろ」と言われて驚いてますから、危険だということは分かっていたと思います。けど〜着水は無謀だろうがよー。「海猿」とか見ちゃうと、海難救助の難しさが良く分かります。そこはフツー降りないよね、上空からの救助だよね?!
島が「オレなら出来る」と判断して従ったのだとしたら自信過剰の判断ミスもいいところだし、命じた古代もバカとしか……、というよりも脚本が…ムガモゴ(ま、全編がこんな風なんですよね・w)
さて、ヤマトは荒れ狂う水面に着水し、救助活動を開始します。命じた古代も古代だけど、現場で肩まで水に浸かって作業をしたクルーたちがすごい。えらすぎる…
今回、ヤマトにはどれだけの乗組員が搭乗していたのか分からないんですが、ここでまず犠牲が出ます。救助班が結成され、高台の神殿にいた人たちを何名か助けてコスモハウンドに乗せてヤマトへ連れ帰りますが、ヤマト自体が横波を受けて転覆しそうになる。プラットフォームに乗っていたコスモハウンドはそのせいで怒濤の荒波に滑り落ち、乗組員と救助した人々もろとも波間に沈んでしまいます。
古代艦長自ら救助活動に加わっていたのは褒めて然るべきことですが、…いや。キミ、またしても自分が「艦長だ」ってことを忘れてるだろ!
その彼が小脇に抱えて唯一助けたのが、例の小さな少年でした。
実はこの子の見た目の年齢から言って、島と絡むんだろうか…なーんて思ったことは内緒です(そんなに島が前面に出てきてくれるとは思っちゃいませんよ…でも、丁度次郎と同じくらいの年回りっぽかったから、つい)。
さて、少年を助けた古代は急いで第一艦橋に駆け戻ります。
古代「島っ、何をやってる、早く救命艇を降ろせ!!」
島 「それより古代、早くヤマトを発進させないと!」
その言葉を聞いた古代、逆上して島の胸ぐらを引っ掴みます。
古代「…貴様…!犠牲者の収容をしないで行こうっていうのかっ」
余談ですが、胸ぐらつかまれた島の服がかなり引っ張られて伸びたので、お腹が出ちゃうんじゃないかと心配になり……。(w)出てたらどうしようと思いつつ、コマ送りまでして確認しましたが、そんな嬉しいことにはなっていませんでした(w)。
島 「艦の制御が限界に来ている。これ以上この星に居ては、ヤマト自体が危険だ。…発進命令を出してくれ」
真っ向から艦長命令に言い逆らいつつ、それでも艦長の古代に伺いを立てる、相変わらず石頭な島(w)。ですが、古代の言うことを無視するのも、溺れた乗組員たちを放って行くのも、申し訳ないけど仕方がない……この時の島の顔のアップは、とっても気の毒そうな表情です。
小を殺して大を生かす。
これは戦争における隊の指揮官としては定石なのですが、ことこの点において古代は「ダメ」ですね、いつもいつも(w)。そこがカレの良い所でもあるんですが、今回もそれがアダになりました。
SBヤマトでは、この「小を殺す」というやり方を嫌っていだはずの古代が、第三艦橋を見殺しにして艦全体を救うという苦渋の選択をした姿が描かれていますが、「完結編」の古代はPart1の古代、からあんまし成長していない、という描き方をわざと採択しているといい、それがこの判断ミスをする姿、でもあるらしい。
そんな描き方をされた古代くんには「気の毒」というほかありませんが、この時の島の態度、これが本来艦長の取るべき姿勢です。犠牲者には申し訳ないが、小を殺しても全体を救わなければ(つか、そもそも島が艦長ならあそこに着水しませんよ)。
でもそう言いながらの島の申し訳なさそうな顔が、胸にグッと来ましたワタクシ。
古代もさすがに仕方なく、発進命令を出し。
ヤマトは結局、たった一人の少年の救助のために多くの乗組員を犠牲にして、その星を発ちました。
医務室で手当てを受ける少年の様子を見守りながら、古代艦長はうなだれます………
(救助できたのは、結局たった一人だけだった。そのために払った犠牲は、あまりにも大き過ぎる。…俺の判断は間違っていたんだろうか…)いや、キミはハメられただけだから…西崎さんに……(慰めになってねえ〜〜…orz)
さて…真田さんの分析では、救助した未知の星の少年はなんと、「皮膚の色を除けば、我々地球人とまったく同じ」身体組成、構造を持っている、というのです。
これは一体、何を意味するのでしょうか……。
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(3)でんでん虫長男登場!につづく