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(12)
<あの太陽を撃て!>
Patrt1の20話「バラン星に太陽が落下する日!」ってのがなかった?あれのオマージュ?かな?なーんて思った人、はーい!!
(結構手が挙がってるようですね)笑。
太陽がらみだと古代くんは察しがイイのか、アイデアが浮かぶようです。
シールドの崩壊した巨大要塞に、総攻撃を仕掛けるヤマト。
「波動砲6発全部ぶち込んでやりましょう!」と勇む徳川に、古代は「5発であの砲塔を破壊するんだ。1発は残しておけ」と指示。
「了解!機関室、波動エネルギー充填……120%!」
上条、今度こそ波動砲発射のチャンス。ところが5連射です…しかも。
「上条、決して外すな!」と艦長からはプレッシャー。波動砲の5連射なんて、人類初だろ。ブルーノアならホーミング式(自動追尾型)だったからまだしもさ、…うわーえらいこっちゃ!
<上条さん、砲身の正確な位置を送ります!>
「ありがとう、真帆…!!」
「上条、任せたぞ!お前なら出来る!!」
「はいっ!!」
古代君、ところどころ褒め上手。
ヤマトの波動砲発射シークエンスは以前と同様ですが、あの発射孔から連射、というのが圧巻。発射孔が耐えられるのか、と心配になったってことは置いといて…(でも、そこをほじくってけばさー、なんで発射孔がこんなに丈夫になってんの??って誰かが気がついたんじゃないでしょうか……全弾発射システム、案外整備の人たちにはマル秘じゃなかったかも…)
そして、——全弾、命中!上条、エライ!
完全に砕け散るシールド、そして中央のエネルギー流に囲まれた要塞そのものも次第に崩壊……
「やったな…!!上条戦闘班長…!!」
コバが上条に駆け寄り、嬌声を上げます。「お前に撃てるのか?」と彼に言ったコバですが、今度ばかりは脱帽!って感じ。よーしよし、おめーはやると思ってたよ〜〜オレは!!
「小林、桜井と代われ。そのキズでこれ以上の操縦は危険だ」
ここで古代は桜井に操縦をコバと交代するよう命じます。コバも休めたろうしね、桜井の怪我のことも、ちゃんと気にかけててくれたんですね、艦長!
…ですが、その刹那。
<艦長、前方を…!!>
ブリッジに響く真帆の上擦った叫び声に、前方を注視した古代。中央の上条のところにいたコバを押しのけ、だだっとキャノピー間際に駆け寄り絶句します……なんだ、あれは……!?
…巨大な、コイ!?
違!!(すいません、…ERI、初見からあの潜宙艦?次元潜航艇?がでっかい鯉、に見えてたんです。ほら、動きがね…コイとか、ああ、シャチとかね?…ざばあァッって海から上半身ジャンプして出てくる辺りがね……)orz
「すごい、あの潜宙艦…次元の間を自在に移動している…!」
上下前後左右、予想もつかない空間からの攻撃を受けています!!のヤマト。次元の裂け目を自在に作り出し、あの巨大な母艦がヤマトの行く手を塞ぎ、しのつく雨のような銃撃を加えます…ところが、ECIの真帆ちゃんてばそれを分析しながらうっかり魅入っちゃってる。うう、この原理を知りたいっ!!彼女の頭の中は、今自分たちが攻撃されているという事実よりもむしろ、ソッチへ行ってしまってたようです…。
で、しかもなぜかBGMは、ベートーベンの「ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」……なんだか、味方が来た!みたいな明るい曲調なんで、「ヤバイ、この敵なんか強そう」とは一瞬思わないんですね…(ま、いいんだけど)。
「さらば」「2」で、白色彗星帝国の要塞都市が崩壊した後にズォーダーの母艦が出現したときは、「うわーもう駄目だ…この局面でこんなすごいのまだ出るのか…」って絶望しましたよね。BGMにも、そういう絶望感がすごく出てたんですが、…それに較べちゃうとやっぱしここはどうも選曲ミスですよね〜〜。良かった味方来てくれた!!みたいなノリだったもんね……(汗)。
——万事休す、か?
いや、古代艦長の視線は、要塞のはるか向こうに見える、光源に…
「小林、太陽に向かえ!!」
「は!?」
「説明してる暇はない、行くんだ!!」
「ハ、ハイ!!太陽に向かいますっ」
古代の剣幕に、慌ててヤマトを全速発進させる小林。…いや、説明くらいしようよ、二言三言じゃんそのくらいのヒマあるよ古代クン…とツッコミたいのはヤマヤマですが、そこはグっとこらえて、だな……
砲撃パーツを分離させ、左右から挟撃せんと執拗にヤマトに追い縋る次元潜宙艦。加速だ加速!!
機関室では徳川太助が奮闘中。
「波動エンジン、出力120%っ!!」
コイの砲撃パーツを振り切り、太陽へ!!
「要塞下部のエネルギー流との連動で気がついたんだ。…あれが敵のエネルギー源だ!」
あの太陽を、トランジッション波動砲で——
上条、お前のタイミングで撃て!!
波動砲、発射…!!
波動砲の最後の一発が、まっすぐに太陽を射抜き——(ここで、眩い光芒をやりすごし、ゴーグルをぱっと外した古代のおでこが富士額!)破壊の衝撃波に煽られるヤマト。砕け散る敵次元潜宙艦。爆散したその欠片が、崩壊する太陽の方へと吸い込まれて行く………
なぜか、爆発に呑まれてはいないバルスマン。敵艦内は変質して行っていますが、爆発=おしまい、では無かったようです………
<何やねん、キミ誰やねん…>
「艦長、スクリーンに何か反応していますっ…!!」
(余談ですが、中西君ってばデスノのLとか犬夜叉なんだよね……脇役声優がスゴイよね。パイナップルに至っては銀魂の新八、クラナドの春原だしな…)
SUSの敵次元潜宙艦、及び人工天体が砕け散ったその宙域は、妙な具合に空間が変容しています…赤黒く偏差している周囲…。
中西の叫び声に、全員が天井を見上げます。
ヤマトのスクリーンには、道化師の正体見たり長い鼻、…じゃない、メッツラーの正体見たり、なんと紫宇宙怪人が……。(けど、直前になんか顔が光って、お面が割れてったような描写がされていたのはバルスマンだったんですけど。…メッツラーもバルスマンも一緒なのか??セットなの? BGMの方は「メッツラー」っていうタイトルなんですけどね……)
……は?!
はあああああ???
………試写会のときも、周囲がざわっとしました、ええ。
これヤマト?ヤマトだよね!?今、私らヤマト見てたよね!?なんかコレ違う番組になってね? 誰やねん、キミ!?……
第一艦橋の天井全体をハイジャックしたような紫色のオバケが…頭上に。
いや、コレは。待て。
ヤマトでこんなん、アリ?!確かにPart1ではバラノドンとかさ、昆虫型の宇宙人とかさ、出て来ましたよ…?でもコレは……
そう思ったのか、上条、撃ち殺してしまえとばかりにコスモガンで狙おうとしますが……喋るんですな、またコレが。饒舌に。
<人よ…我々は、お前たちとは違う異種異根の生命体である…>
喋るんだよ、アレが。うにょんうにょんと、波打ちながら〜〜〜。
どうやら、どっか別の次元の宇宙がちょっと資源不足で困ってるらしい。で、自分たちの宇宙を維持するために、こっちの次元の宇宙へ来て、色々と漁って補給して行きたいらしいんだね。
<我らは…この次元の宇宙を掌握するため、遣わされた者…>
「遣わされた…?」
古代、どうやらこの紫宇宙怪人の背後にも、何かもっとでかい力が隠されているということに思い至ります…ジョーダンじゃないよ?!
<…この世界はくれてやる…支配するがいい、人よ…>
紫宇宙怪人、随分饒舌。
古代くんはちょっとムッとします。「我々は支配などしない。共に生きるのだ」
人聞き悪いな、地球は侵略者じゃないしヤマトは支配するために闘ったことは一度も無いぞ。
<共に生きる…?理解不能だ……人よ>
理解不能で上等だ、てめーにわかってもらおうなんざ思っちゃいねーよ!と古代が心に思った(かどうかは知りませんけども)その途端……紫マンは次第に小さくなり…スクリーンから消えて行き……。
喋るだけ喋って、収束寸前の人工太陽に吸い込まれて行きました……。
なんだったんだ、アレは…!?
一人、バカみたいにコスモガンを構えたままの上条。呆気にとられたままボーゼンと呟く小林…「お、終ったのか…?」
(コバも大概ズレてるよな。終ったのか、って…。いきなり3D映画が始まっちゃったから、オイラ困っちゃったんだけど見てたんだよ、みたいな?…でも気持ちはわかるな)
感心なことに、最中も分析を続けていたらしい真帆ちゃん。いつの間にか第一艦橋へ戻って来ていて、一言言います。
「一つだけ、はっきりしていることがあります」
SUSがこの世界に真実として見せたものは、何一つ無い……。
<一路、地球へ…!>
戦闘宙域から、SUSの艦隊反応が消えました。
パスカル将軍は戦死したようだけれど、ヤマトは勝ったわけです……アマールの女王、イリヤは嬉しかったことでしょう。
……今後、地球人民はヤマトを筆頭に、我がアマール軍と共闘し、この星を擁護してくれることでしょう。なんたって、アタクシの星の衛星を丸ごと一つ、彼らに与えようと言う訳ですから。ああ、良かった!!
イリヤとしては、すっごく嬉しかったに違いないです。今後は何かあっても、あのSUSすら撃退したヤマトと地球人が軍隊を出してくれて、アマールの領海を守ってくれることになるわけですから…。
(ただ、ここでねえ。イリヤがちょっとでも、パスカルを悼む様子を見せてくれたらねえ、ってERIは思ったよ。パスカルさん、なーんとなくイリヤに惚れてた感じがしましたからねえ……)
ともかく、女王様は声高に、独立宣言します。
「ヤマトが、地球へ還るぞ……!」
上空には、一度戻って来て女王へ挨拶を済ませたと思しきヤマトの飛び立つ勇姿が。これから一路地球へと戻らなくてはならないのです……最後の移民船団を地球からここへ連れて来るために。
帰りはヤマト一隻です。速度を上げて帰還の途に。ワープは、2回。
その頃、先に帰還していた移民船団6隻が、地球へと辿り着きます。
「移民船団帰還!」
地球連邦宇宙科学局の司令本部は、帰還した6隻と護衛艦隊を迎えて再びフル稼働。
観測によれば、カスケードブラックホールはもう目と鼻の先まで迫っているのです……
「至急メンテナンスに入れ!12時間後に出発だ!」
凛とした声で指示を下す次郎を横目に、真田が呟きます。
「…あとは…ヤマトだな」
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(13)
<佐渡先生、行かないんですか?!>に続く