感想文(10)

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<やっちゃったよ古代クン>

 すいません、なサブタイトルだな。
 何をやっちゃったのか…はもうお分かりでありましょう(苦笑)。

 同盟国を攻撃するよう恣意的な要請をするメッツラーに、徹底して反発したエトス艦隊提督ゴルイ。旗艦シーガルの副官の言い草は目に余りますが(「人間、生まれ方は選べませんが死に方は選べます」…ってお前な、それ、母ちゃんに失礼な発言だと思わんのか?)ゴルイの配下は全員、SUSに屈して非道な行いに手を染めるくらいなら……とある決意をしている模様。
 でも、だからといってなんで特攻だ??
 ERI、そこがわからなかったです、西崎監督っ。


「エトス艦から入電!!」
 ヤマトの第一艦橋のスクリーンに映る、銀髪の智将、ゴルイ提督……
<我々は、これよりSUS艦隊に攻撃を開始する。これは、地球にもアマールにも味方するものではない…>
(マジかよ?)という顔の古代くん……だと思うんですが、あの作画からはあまり戸惑いとか焦燥とか、は読みとれなかったですね。ゴルイの一方的な特攻宣言を聞き、異星人の旗艦同士の、まさかの衝突を目の当たりにし。古代の眉間の皺が段々深く……

 その頃、アマールでもイリヤとパスカルとが押し問答を。
「…エトスの決断を、パスカル…あなたはどう思いますか…?」
 苦悩の表情のパスカル将軍、王宮の中庭にはさらに民が集結し、老若男女揃って「ヤマトと共に一斉蜂起を!」と訴えています……
(突っ込もうと思えば、ここもキリがないよね。子ども抱いたおかーさんやら、おばーちゃんやらまでが戦うことを望むだろうか。そういう人種も居るのかもしれないけど……ジハードだとか言ってね。まあ、宇宙人だからしょーがねーか、と片付けてみる)
 その様子をバルコニーから眺め、さらに畳み掛けるようにパスカルをプッシュする女王。もはや、迷ってんのはアンタだけよ、と(苦笑)。
「この(民の)声を、どう受けとめますか…?」
 もうやるっきゃないんだよ、わかんないの?パッシー!(誰がパッシーだ)
 イリヤの強烈なプッシュに負けて、頷いてしまう将軍。負けた〜〜〜クソ。分かったよ、分かりましたよ…やりゃあいいんでしょやりゃあ!!

 古代クンも自問中。
(ユキ、…地球のために、アマールは窮地に立たされている…)
 いえ、正確には酷い目に遭うのはパスカルさんなんですけれども。
(……あなたの勇気が、いつも地球を…、人類を救ったわよね…)
 ちょっ、ユキちゃん、煽らないで。
(……それが、ヤマトの乗組員みんなの気持ちではないかしら…?)
 ちょっとちょっと。



 決心した古代クン、第一艦橋へ戻り、高らかにアマールとの共闘宣言をします…「移民船団を護衛艦隊と共に先に地球へ帰還させろ。…これよりヤマトは移民船団の護衛の任を離れ、SUSとの決戦に臨む!」

 血を流しても、守らねばならないものがある…!
 総員、信念を持って敵に当たれ!!

 イリヤはヤマトからの宣戦布告を受けて、感涙の一言を送ります…「古代艦長、宇宙戦艦ヤマト。…ありがとう」

 アマール市街地に繰り広げられている市街戦に、ミサイルで援護射撃を加えるヤマト。(その射撃の精度がスゴイ、と思った人はいませんか?王宮の中庭にいるSUSの戦車にピンポイントで爆撃…郷田君でしょうかね??スゴいよね!!)

 ただ、ねえ……古代クン!いいの?いいの!? ←もうツッコミ、これ一言だよ…地球へ一言の連絡も無しに共闘宣言してんだけど?いいの? 



 ……あーあ、やっちゃったよ………。




<決戦、そしてクライマックスへ>

 何隻かの護衛艦隊と6隻の移民船はアマールから地球へ向け、ワープに入ります。それを確認し、ヤマトはアマールを出発。向かうは近海にまで接近して来ているSUSの戦闘要塞。ヤマトを追って、アマール唯一の艦隊、パスカル将軍のスターライト号が(……って、違った?あれ、そういう名前じゃなかった?w)追いすがって来ます……
「我々も同行させてください!」

<ERIの勝手なモヤモヤ…w>
 地球の護衛艦隊は少なくとも162隻はいたわけですが、一部が地球へ帰還していることを考えてもこの段階で100隻くらいは残っていたと思います…絵面でも、ヤマトと一緒に戦闘に参加している地球の戦艦は相当数見られました。でも、実はこの後、SUSのハイパーニュートロンビーム砲を受けてその大半が壊滅してるんですよね…。
 それってどうなの?と思いませんでした…??

 ERIの頭の中では、この時古代が率いて出た地球艦隊は、相当数が無人戦闘艦だったのではないか…ということになっとりますです。
 もともと、2201年には大したこと無かった(プン)島の無人艦隊ですが、あれはかなり合理的だし低コストで安全性も高い…
 兵器の開発上何が一番ハイリスク・ハイコストかっていうと、「人間(兵士)の無駄遣い」じゃないですか。無人艦隊が17年を経て、格段に進歩を遂げていれば、かなりの省エネ・コスト削減、ですよね。
 今回は、ヤマト以外の戦艦の乗組員の描写は、「完結編」のそれよりもはるかに少なかった。でもあれが無人戦闘艦だったのなら、それでかまわないわけですよ。
 もしも護衛艦全部が有人戦艦だったのなら、ヤマト以外の地球艦隊の艦長やクルーの幾人かをもうちょっと(40秒でいいから)描いて上げて欲しかった。古代の宣戦布告に追随して華々しく散ったのは、大村さんだけじゃなく無名の地球艦隊の乗組員たち全員、ということになりますもん。(しまった!!「復活篇へのプロローグ」で、加藤四郎クンを護衛艦の艦長の一人にしちゃったぞ。仕方ない、彼は地球へ先に戻った護衛艦の代表、とでもしておきましょうか…)

 



 さて、SUSの巨大要塞の内部では、バルスマン・北野(ヤメレ)が苛ついています。そこへやってくるメッツラー……
「戻ったか」
「…はい」
 この二人、一体どういう関係なのでしょう。デスラーとタラン、という感じじゃありません。総司令官(上官)と総督(部下)だと言うのは分かるんですが、何せこの後がね…。こいつら、オバケだかんな。つか、メッツラーだけなのだろうか、オバケは?じゃ、あのオバケが出て来た後はバルスマンはどこへ行っちゃったんだろう……??

 ま、それはさておき。
「フリーデ、ベルデルの援軍が来ている。臆することは無い」
 バルスマン総司令官はそう言い放ち、ヤマトを迎え撃ちます。
 
 ここまではさー、異星人の作戦指令室、で通ってたんですよねー。何もおかしなところはなくて、お約束の敵さんの指令所、なんですよ。なのに、彼らの正体がとんでもないヤツラだったなんて、一体どうして予想できましょうか…(溜め息)。
 ヤマトが近距離まで接近して来ます。ついにクライマックスの戦闘シーン。
「敵要塞を視認!総員、戦闘配備!!」




 ここでまたもやぶったまげ。(おい!)

 古代クンが自ら、コバに「小林、コスモパルサー隊の指揮を執れ!」といって席を立たせ、そして「桜井、小林の席に着け」と命令するんですよ…。コバと桜井は一瞬顔を見合わせて「エッ」となるんですが、同時にニヤッと笑いを交わします。

 戦闘開始と同時にこの配牌。……ねえ、コバはヤマトのチーフパイロットだよねえ?でも艦載機戦の方が向いてるってこと?しかも、戦闘に入った途端、桜井だよ…?桜井の方が実戦機動が上手ってこと…?商船学校なのに?艦長、その配牌はどうしても納得行きませんがなっ!!
 その混乱した思考をさらに煽るように、めくるめく艦載機戦のBGMは何とピアノ曲、ベートーベンの「月光」!!混乱するする〜〜〜〜〜(@@;!!! も、あれがアリならここでシェリルのノーザンクロスが流れてもアリだよねっ!?)←ナイナイ(殴☆★)

 ま、コバが活躍してるからいっか、…と見てますと、コバは美晴のフォローにまわってばっかいます…とはいえ、流石のチーフパイロット。
今度コバが主役のオリスト、誰かカッコ良く描いてくんないかな…ERI挿絵描くよ?(なんちて)
 いやいや、怒濤の「月光作戦」ですよ、ここは!
 ヤマトも流れ弾を散々受けています……と、第一艦橋付近に着弾!桜井が右腕を負傷…!!
「うあっ」
「桜井っ!!」


 
 ここで、試写会のときはERIの周囲がちょっと色めき立ちました。というのはもちろん、ERIの近くには「緑矢印/航海班フリーク」がいっぱい居たから(爆)。
 負傷した桜井を見て、即座に上条が中央席を立ち、「俺が代わろう」と申し出ます。古代くんもそうしろという顔。
「郷田、戦闘指揮を代われ」
 上条がそう言うのに、しかし桜井は首を横に振り…「いえ、大丈夫です」と居座るんですが、この後古代は一段落つくまで桜井を心配しつつ見ていてくれるんです。後でちゃんと、「その腕でそれ以上の操縦は危険だ」と言って、交代させている。
 この時はとりあえず、真帆ちゃんにピンクのハンカチ(カエルさんの刺繍入り)で応急手当てしてもらって、桜井が操縦を続行します。



<ERIのハテナ?>
 ……まあ、もう、これをこれ以上突ついても、出て来るものは同じだと思いますがね………。


 いいですか、ヤマトのチーフパイロットはコバです。で、桜井は操縦班長。だけどねー…。整理して考えれば考えるほどわからなくなるのよ〜〜。
 桜井って、「商船大学」出であって軍人じゃないんです。それとも、商船学校ってのは軍管轄下にあるのかな。真帆の補佐だったり、コバの補佐だったりしません?彼。しかも、古代…戦闘開始と同時に桜井をヤマトのメイン操縦士にしてるんですよ。商船大学、戦闘機動も教えるのか。しかも軍人より上のテクを??でも、桜井、最初古代のブルーノアの操縦でビビってましたよね……?? アンド、その上、上条までもが「交代可能」……。
 ね?
 ERIが「なんなんだ、今回のヤマトの操縦は」と絶句したのがお分かりですか?かつては島大介以外に信用できる操縦士はいなかった(彼の場合は死ぬまでそこにいなきゃならなかった)…。まあ、完結編で沖田さんがどういうつもりで『アナライザーではなく真田さんに』操縦を代われと言ったのか分かりませんが、あの時のヤマトは島がいるなら島に操縦させるのが一番確実だったでしょ。
 そこの辺りを、真田さんが色々考え直して操縦系統を簡素化したんだとでも思わなければ、あれほど「誰が操縦しても上手く行く」モノにはならないよね。
 ホントマジ、ムチャクチャなんですよ、ヤマトの操縦に関しては今回。もっとちゃんとシナリオを練っておいて欲しかったな〜〜。

 古代がこの後、桜井の怪我を心配して、艦載機戦から戻って来た小林に操縦を代わらせるところなんかは、非常にイイんですよね。これは、古代に、島が負傷した時の記憶がある、っていう旧シリーズへのオマージュ的演出にちゃんとなっているんです。うーん、それだけに惜しいよなあ。


 
 旧シリーズへのオマージュと言えば。この直後、ヤマトのエンジン出力が下がるトラブルが起きますが、そのシーン。

 機関室の天馬兄弟から「艦長、エンジンが不調ですっ!!」と報告が上がって来る。
「これじゃ、波動砲発射命令がきても対応できないぞ……」「どうする!?」あわてふためきパネルに向かって原因究明に焦るパイナッポーたち。
 その時、徳川太助の声が……
 なんと、高速回転中のフライホイール下部の床下から、太助がスパナを持って現れます。
「お前ら、何を習って来たんだ!!スパナの使い方も知らんのか…!」
「徳川機関長!!」

 これ、「新たなる旅立ち」で太助が機関長の山崎さんに言われたセリフそのままですネ。「親父さんが泣くぞ」とまで言われた太助ですが、今度は立派に自分が言う側になりました……(笑)。
 太助の応急処置のおかげで、復旧する波動エンジン。(……でもさ、スパナ1本で直るんだ……そうも思ったERIだった…)



「小林!ヤマトは敵艦隊の中央を突破する!護衛に当たれ!」
 上条の指揮のもと、ヤマトは一気に敵巨大要塞へと接近…!




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(11)
 <帰って来い!!信濃…!>へ続く