感想文(5)

****************************************** 

<ウエスト星間国家連合・議会場>



 さて、ここであの異星人連合のオッサン議会場へ場面が飛ぶところなんですが、じつはココ、画面的にひじょーに萌えが少ないシーンです…

 大ウルップ連合(ゴルイの台詞の中ではウエスト星間国家連合という呼称が出て来ます…どっちなんだ??)には議席が11あるとか、でもその中で攻撃艦隊を出せるのはエトスとベルデルとフリーデとSUSの4ヶ国だけだとか、アマールからはパスカルさんが出席してるなァとか、けどもどこをどう見回してもイケメンがいないよう、とか、メッツラーの衣装はなんだアレ、タイヤマンか??とか、そんなことしか思い浮かばないんで飛ばしたいところです正直。
(いっぱいあるやん!!)

 大体さあ、今回の敵さんは全体、見てくれのレベルが低いよね!エトスのゴルイさんと副官はまあまあイケてるけど、他はどうよ!?ERIは個人的にフリーデのトップは気になったんですけども(手塚治虫センセのハカセキャラみたいな御髪・w…だけど妙にお痩せになっている)彼はヤマトの重爆撃機の攻撃でお亡くなりになるようです(泣)。なんといっても、SUSの総督、この議席の議長を務めるメッツラーさんの富士山クチビルには参りました。その前髪も頼むからなんとかして!(マクロ★Fのレオン三島と良い勝負…しかも耳が尖ってるからキミは実はゼントランだね!?とか)ヤメなさいって……。

 いや、正直なところ、これが実感→「デスラー総統閣下、アナタは実に上品でイイ男でいらした!」

 ってのは横に置いとくとして…。
 メッツラーさんはSUS国第7艦隊司令長官(パンフより)。第7。第1から第8以降ってのは、どこにいたんでしょうか(もう放っておいてやろうか…これ以上突っ込むのはやめようかと思うんだけども…)。上官のバルスマン総司令官も、ご贔屓にしているのはメッツラー一人のような気がしましたが気のせいですか?(余談ですが…。このバルスマン、誰かに似てると思いませんでしたか?私ねえ、試写会のときからこの人は北野武監督に似ていると……)笑。


 ハア、疲れた(疲れるまで笑うな!)申し訳ありません……

 ともかく、ここは笑う場面じゃないんです。
 メッツラー総督閣下、登壇!
 手を挙げて議席に座るところなんかが、ちょっとデスラー総統みたいです。議場の周囲には観衆が何万といる感じがします…しかし、惜しむらくはメッツラーの衣装がタイヤマンかボリショイサーカスのピエロみたいだったのが…(ヤメロ)


「地球から大艦隊が出撃した」我らの艦隊も攻撃を受けた。
そう言って、洗脳用の資料映像(ものの10秒ほど)を投影するメッツラー。それを見て恐れ戦く星間国家連合の代表たち。
「地球艦隊を殲滅せよ。アレは悪の侵略国家だ!」
 議決が下り、出発した地球移民船団の近海に展開する、エトス艦隊の提督へと攻撃命令が下ります。



<フライバイからロングワープへ!>

        
 
 さて、サブタイトルにあるように、前半のクライマックスとも言える名シーンへ突入したいところなのですが、ちょっとここで戦闘班長・上条了(21)について書こうと思います。(上の画像はパンフから。ERI描いてないよ。持って帰っちゃだめよ)

  ERIは上条くんの心境を突き詰めてみて、彼がとても気の毒になりました…。どう声をかけていいのか、マジで悩んでしまうのです。上条と言えば、最初はタレ目のコバより目立ってたはず。公開前のキャラ紹介とかでも、上条の名前が案外知られていたのに較べて、コバの名前はあんまし前面に出てなかったような気がする。でも、本編を見たらばコバのほうがずっと活き活きしていて、上条はひたすら暗い…。

 落ち着いて考えてみましょう。
 ブルーノアは、第一次船団の護衛艦隊旗艦でした。それが、敵艦来襲時、序盤で沈黙した挙げ句艦隊は散り散りバラバラ、自分はほとんど何も出来ないまま全滅を一人生き延びた。これがどういうことか、分かりますか?貨物船<ゆき>に収容された上条くん…落ち着いたところでおそらくドンヨリと考えたことでしょう……

 

 オレ、一体何やってんだろう。

 なんで死んでも艦隊を守れなかったんだろう。

 なんで玉砕すら出来なかったんだろう。

 なんで…まだ生きてるんだろう…?


 映画はどんどん進みますからね、<ゆき>で地球へ還るまでの間、上条がどうしていたか…なんてことは、多分誰も考えない…(白状しますが、ERIも考えてなかったっす。4回目見るまでは。)ヤマト発進の数分前になって、彼が戦闘指揮席に座り、テストモードの波動砲トリガーを試しているシーンまで出番なかったんだし。

 でも、その後のアマールでのシーンで、上条がすごく意味深で重そうなセリフを吐くんです。
 あれっ?っと思った。
 あの台詞、誰が言うかで意味もかなり変わって来る。例えば、コバが言ったんじゃダメなんです。挫折することをまだ知らない(知らないが故の自信、なんだと思うのは、彼に対して失礼かな?)コバが言うのでは、重みがない…しかも多分、コバは言わないよ、ああいうことは。(コバ、あのシーンではその場にいないしね)桜井でも多分、言えない台詞じゃないだろうか…



『…受け入れるしかない。その覚悟がなければ、俺たちはただ…地球から逃げただけだ。』



 上条は、一度完膚なきまでに叩きのめされた男です。自身は負傷して、艦長も同僚も死んでしまい、無惨に破壊されたブルーノアからあろうことか「民間の貨物船へ」退去するしかなかった。

 上条自身が、ブルーノアの最期を、一度受け入れているんです。貨物船<ゆき>へ移乗したのは、逃げたんじゃない。覚悟を持って、訣別し、そして新しい船ヤマトへ乗った。そんな彼だからこそ、言えた台詞だったんではないでしょうか……。

 <ゆき>は…、船長の古代は、あの時ブルーノアをどうしたんでしょうか。破壊されたブルーノアを残してその場を去らなくてはならない上条を、古代はどう思ったでしょうか。近くの軍管轄のドックへ曳航して行っても、修理することは出来なかったかもしれない。あそこに、放置して来るしかなかったかもしれません。

 あの宙域で撃破した敵艦を古代がどうしたのか、というのもちょっと引っかかります…真田さんなら間違いなく、敵艦の臨検と分析をするはずです。でも今回、次の移民船団がもう地球から出発していますから、上条の話の内容から、時間的に「戻る」のを古代は優先したのだ、とは思うのですが…。
 古代にしても、自分が兄の船<ゆきかぜ>をタイタンに放置して来なくてはならなかった時の事や、沖田さんを乗せたヤマトが遠離って行く時のことをどうしても思い出したはずです。まだ経験の浅い21歳の上条が、おそらく初めての大敗を帰した後、それをどう乗り越えるかをきっと見守っていただろうとも思います……前項で、古代が上条を評価したのはとっさの戦闘指揮に充分応えたからだ、と書きましたが、古代は上条の心境を慮った上で、あの潔さや心の強さをも評価したんだろうなと思うのです。


 コバが、アマールで上条を諌めるシーンがあります…「お前、二言目には戦闘用意って、それを決めるのは艦長だろうが!」
 コバには、上条が復讐心の塊だということが理解できない。敵を見つければ血に飢えた獣みたいに飛びかかって行くのが理解できないのです。でも、上条の心境になってみれば、敵を見つけたら攻撃したいのは…残念ですが、至極当然。怒りを持てているうちは、心は壊れません。怒れなくなるほど上条が精神的に参っていなくて、ホントによかった。ただまあ、だからといって、敵を見つけりゃ殺戮していいかといったら、それとこれとは別ですよね。
 ……これ。ここも、一種のオマージュなのでしょう。Part1の古代と島みたいですもん。島が復讐心の塊みたいな古代を、運行計画の遅延防止を理由に引き止めるシーンがあります、覚えていますか?コバは島じゃないけどね、上条を冷静に引き止める態度が、あの頃(Part1)の負けを知らない島と同じだった…。



(こっからBGMに<宇宙の神秘>をどうぞ。ヤマト冒頭のスキャットと同じメロディで、オケが鳴るやつです…つか丁度これ書いてた時にBGMがそれで、なんかめっさ泣けたのよ〜〜〜〜)

 ブルーノア。自分が戦闘班長を務めた船です…上条にとってはブルーノアをあの宙域に捨てて来るだなんて、それすらもきっと、身を切られるような思いだったに違いない。動力系はまともに動いたんですもん、きっと地球へ帰してやりたかったでしょう。でも、遂行途上の任務はそんなことよりもずっと重要だった。第一船団の直後に、第二船団の出発も決定している……生き残りはおそらく自分だけ。事態の解明は急務です。

 とにかく、一刻も早く地球と連絡の取れるコンタクトラインまで戻りましょう、そう上条は古代に提案したに違いない…しかし、「ゆき」のオンボロエンジンの足は遅く…。中継ブースターを経由した、壊滅した護衛艦からの通信映像の方が先に科学局へ届いたわけです(それが、最初に真田さんと次郎が目にした襲撃の一部始終でしょう)。


「自分一人が生き延びた」という状況の辛さ。これって、あまり考えることはないかもしれませんが、酷く気の滅入る事実ではないでしょうか…。私たち視聴者は、「ああ生きていて良かった」くらいにしか考えないよね。でも、死ぬ気で戦ってた軍人さんが「いつの間にか戦闘は終っていて、自分一人だけが生き残っていた」というのに気付いたときの衝撃ってのは、それはそれは酷いものらしいです。

 <ゆき>での上条くんの姿は描かれませんが、自分一人が生き延びたことや辺境に打ち捨てられたブルーノアを思い苦悩するだろうこと、そして一刻も早く地球へ戻って新たに闘いを始めなくてはならないと決意していることは、想像に難くありません……。

 上条くん、あなたはとっても冷静で、自制心の強い人です。うん、ERIは改めて感心しましたよ。


 さて、ここからがいよいよ前半のクライマックス。

 


<フライバイからロングワープへ!>

 地球より、1万7000光年。第一次・第二次船団が襲撃を受けた宙域に到達します……

 ヤマトの第一艦橋は、かつてと少々配置が違っています。その辺はメカニックメモリアルとかを参考にしてもらうとして。桜井の報告に、艦長古代は調査を命じます。ECIへ移動する真帆。

「プロ—ブ発射」真帆が第三艦橋から探査ロケットを発射。そこに広がるハニカムサーチネットを発見——


 ERIねえ、この映画中ずっと、真帆ちゃん見てて「ああっ、遊園地へ行ってフリーフォール乗りてえ!!(しかも八景島にあるような距離の長い奴)」って思いっぱなしでした…。
 第一艦橋から第三艦橋までひゅーーーストン、ですからね!!一体どのくらいあるんだろう……元ネタの戦艦大和のスペックから、その降下距離を考えてみました。

 戦艦大和のスペック 

 …高さは載ってないな(w)。でも、新生ヤマトって正面から見ると幅も高さも同じくらいですよね。どっかで昔のヤマトが幅75Mくらいってのを見たことがある。そうすると、真帆ちゃんが第一艦橋からECIへ降りるのにヒューストンする距離は最低でも75Mはある、ってことですよね???
 すげー……(人工重力かかってない?でも重力かけて自由落下の方が早いんじゃ??バンジージャンプよりはかなり快適?…ああ、興味がソッチへ〜ERIもやってみたい〜〜〜…)いい加減にしろ。

 すいません。
<フライバイからロングワープへ!>は次回に…(ドカバキグシャ殴★☆)

 

 

************************************

)へ