感想文(2)

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<4時の方向、距離150宇宙キロに難破船発見!>



 写真と手紙を見てくつろいでいた古代船長は、突然のコールに第一艦橋へ呼び出されます。桜井が読み上げた方位と距離に、古代は即決。
「救助へ向かう!」
 古代の「エンジン全開」の声に、機関士「無理です、このオンボロエンジンに無茶言わんで下さい」と返してる(笑)。それに対して大村さんが「ごちゃごちゃ言わんとやれ!何年この船に乗ってるんだ!」って言ってやらせてるんですが、実質船長は…誰よ?(笑)大村さんの方が先にこの船に乗ってて、古代が後から船長として乗ったのか?と思わせるやり取りですが…はて。


 その難破船、とは大破したブルーノアでした。
 付近にはその他の艦船の姿や残骸なども…。一体何があったんだ…?<ゆき>はブルーノアに接舷し、アクセスチェンバーを伸ばしてドッキング。
 内部は酷い惨状。でもあれだけまる焦げになっていながらも人工重力装置は正常に働いていたようです。瓦礫の向こうからヘルメットなしの上条がよろけながらやってきた…ということは、酸素も漏れてなかった、ようですね。外壁はかなり激しく損傷したようですが、機能全部を失ってはいなかったらしいブルーノア。
 救助された上条は、ブルーノアの第一艦橋で手当てを受けます(この時、大村さんたちが着ていた宇宙服が、かつてのヤマトとは比較にならないくらい「ホントーに宇宙服っぽかった」です・w)。

「…地球から移民船の第一次船団を護衛して、3億人をアマールの月へ運ぶ途中だったんだ」
「…3億?!」驚きを隠せない古代。
 しかし、その背景を上条に聞きただす前に、またもやエマージェンシーコールが。
 船団を襲ったやつらだ!との上条の声に、古代はまる焦げ(まる焦げ、って言うな!w)のブルーノアの操縦席に滑り込み、動作を確認。
「よし、動力系は使えそうだ!」
 きみ、名前は?
 地球防衛軍一等空佐、
戦闘隊長、上条了…(一等空佐って大佐、だよ?21でしかも空?)
「よし、上条!戦闘配備だ」
 いきなりの命令に、戸惑う上条。迫りくる敵戦闘艦…「距離、3000!」桜井の声が上擦る。「このままではぶつかります!」
「狼狽えるな桜井!」の声と共に、古代は船体をロ—ルさせ横様に反転、背面で敵戦艦下部に第三艦橋をぶつけつつ減速、刮げ落ちる第三艦橋。その瞬間…「フル・スロットル!」
 ブルーノアは敵戦艦との接触の反動とエンジンの最大噴射による上昇とで大きく上下を回転、敵戦艦の背後に艦首を向けて見事に制止…「今だ、上条!撃て!」
「主砲、発射…!」
 ——敵艦、まとめて撃破!

「上条、よくやった。いい腕だ」
「お見事です、古代艦長!」と大村が…。

「古代!?あの、伝説の…」
 上条了(21)は、このヒゲモジャラ(ヒゲモジャラって言うな!w)が「古代」だというのを聞いて、驚いた様子です。……なんだ?やっぱり「古代」ってのは有名なのらしいね!?「伝説の」ときたもんだ!



<ERIのハテナ?>
 おいおいおいおい、試写会の時に最初にツッコんだのがここ。
「古代が戦艦の操縦をしているっ!!しかもナニ!?あの超高度なテク!」

 ……17年間はやはり長かった、と言うべきなのか。科学の進歩!?技術革新?それとも、古代の努力?!海中からヤマトを飛び立たせることも出来なかった古代クンなのに、なんだアレは?!超弩級戦艦をまるで艦載機のように軽々と扱っていましたね…!!流石、とかすごい、とか言う前に、「ポカーーン」と口を開けてボーゼンと見てしまいました。(ああ、17年後の島だったら。一体どれだけ操縦テクが…いや、島なら間違いなく艦隊司令になれるってマジ、しかも戦闘指揮も取れるだろうしモウ元帥クラスだよ。…ほらほらほら、また緑色フィルターがかかってる…)笑。
 そして、このシーンで古代が見せた操艦の技術が、今回のヤマトの劇中でもっとも難しい高度なテクニックではないでしょうか…。
 

一方、地球では——

「これはいつの映像だ」

真田と次郎の目の前で繰り広げられる第一次船団からの映像。「中継ブースターを幾つも通って来ますので、3日前の通信です」次郎がそう応え。

これは虐殺ではないか——!

 次郎は真田に提案してます。状況がはっきりするまで、第三次船団の出発は見合わせるべきです!と。
 しかし。真田さんにはなにか秘策があるようで。
「いや、計画通り進めてくれ」
 解せないといった顔の次郎をよそに。「古代は、まだか…」今地球を救えるのは、古代しかいない。
「古代さん…?」
 丁度その時、太陽系交通管理局(あるんだそう言うのが)から連絡が入り、辺境貨物船<ゆき>が地球に帰還します、と折原
真帆が報告。満足げな真田さん。真田さんにとって「古代を呼び寄せる」というのは人類救済計画というパズルの、最後のワンピース。一体いつ頃、真田さんは古代に連絡を取ったのかなあ。「帰って来たのか」呟く真田さんを、チラリと見る次郎…。


 <ゆき>の艦長室では、古代がひげ剃り。3年ぶりの帰還です…あんなヒゲモジャラでは、娘に嫌がられるとでも思ったんでしょうか。コダイくん、イヤンちょっと可愛い!という声の飛び交ったシーンです(36のオッサンになんで可愛い!?w)。しかしなんで3年ぶりのひげ剃りなのに、青剃りになっていないんだろう?それと大村さんが古代に娘のことを言ってましたが…「娘さん、大きくなったでしょうなあ」と。(13歳と16歳、の違いで…大きくなった…って?何が?胸が?)←殴★☆

 さて、最後のワープに入り、地球に接近する<ゆき>。ワープアウトポイントから間近に見えるのは、アクエリアス氷塊……ヤマトの眠る、宇宙の墓標——。
 それを見つめる古代の胸には、幾多の思いが去来したと思われ…。

 今回、劇中ずっとそうなんですが、とにかく古代くん…感情を表に出さないんです。あんなに叫んで、怒って、怒鳴って、泣いていたあの古代くんが、怒りも哀しみも眉一つの動き程度でしか表現しないんですよ。喜怒哀楽を無理矢理抑えているようにも見えたけど、それが「オトナ」だと思っているとしたら、まだまだ青いな、古代。ふはははは!(ってお前はズオーダーか)。でも、あの無表情さは一体何を表しているんでしょうか…泣いたって喚いたって、それだけでは事態は何も変わらない、ってことをあの年齢にして悟ったと言いたいんだろうか。彼の体験に基づいた諦観がああいう態度を取らせるのか…。常に地球に対して後ろめたい気持ちでいたから、ああなったのか?



 さて場面は再び科学局。

 真田さんの所へやってきた古代。次郎が投影するBHの映像に戦慄。
「我々は、あれをカスケードブラックホールと呼んでいる。計算ではあの移動性BHの進路はこのままいけば太陽系をまっすぐ通過することがわかっている。到達までに、あと800万秒足らずだ」
「…あと3ヶ月、ということですか…」
(この800万秒、って言い方がイヤだよね!クスクスクス!)真田の片腕、島次郎はさらに、これまでの経緯を説明します。置鮎さんの台詞で一番長いのがここじゃないでしょうか(w)。

 このBHが観測されたのは今から3年前です。世界各地から天体物理学の権威が集まって、BHを回避する方法が検討されました。近隣惑星のテラフォーミングや、果ては一時的に地球の軌道をずらす方法まで提案されましたが、どれも決定的な解決には結び付かず…。最終的に人類を他の惑星に移住させることが決定したんです。

「私は、あれが観測された3年前にこの対策本部を立ち上げ、島くんを移民船団本部長にして人類の移住計画を進めて来たんだ」と真田さん。(おお、次郎を移民船団本部長に抜擢したのはあなたなんですね…政府でも軍でもなく)
「移民船団護衛艦のクルーからアマールへ移住すると聞いたのですが」
 真田が司令本部のスタッフ、折原くんに頷くと眼前のスクリーンに航路図が投影されます。サイラム恒星系のアマールまでは2万7千光年。第一次船団が攻撃を受けたのは、1万7千光年の地点。何か大きな力が、移住を妨げているとしか思えない…
「…待ち伏せされていた、ということでしょうか」
「分からん。とにかく、情報が不足している」



 その後、古代と真田の二人は(多分、真田の居室?なのか科学局の一室なのか。海を眺めながらベランダでくつろいでるが…。余談ですが、ヤマトの「くつろぎシーン」って、バルコニー多くね?アルフォンとユキが話していたのもバルコニー、今回の映画に至ってはバルコニーでの会話がここを含めて古代と美雪、古代とイリヤ、の3回もあるんだよ…)←ホントに余計
 二人が飲んでいるのは…ウィスキーなんでしょうかね。アイスピッチャーもあったし。グラスには氷が入ってたし。
「無くなるのか…この地球が…」
 呟く古代に、お前の還りを待っていた、お前に第三次移民船団護衛艦隊司令を務めて欲しいのだ、と期待をかける真田。でも古代は否定的。「買いかぶりですよ…真田さん。俺は3年もの間、地球を捨ててさまよって来た男だ。あの頃とは…違うんです」
 雪は、お前ならこうするだろうと、お前の代わりに第一次船団の団長として護衛艦に乗り込み…行方不明になった…。それを聞き、顔色を変える古代。(ここで、雪のことを聞くんだと思ったのは私だけじゃあるまい…・汗)
「美雪は、…第一次船団のことを…知っているんですか?!」

<ERIのハテナ?>
 古代くんさ、真田の前で雪のことをあからさまに心配して、おろおろしたくなかったのは分かるよ?でもさ、まるまる無視ってそれはないよ。確かに古代は自分の目で雪と同じ艦隊にいた旗艦のブルーノア@まる焦げを見ている。でも、雪のアンドロメダの消息は多分、上条からは聞けなかった。ということは…。…ま、きっと、このシーンは数分前のやりとりがカットされていて、そこで雪の安否についても何か言及されていたのかもしれません。そういうことにしときましょう。



<父娘>


 すっかり日の落ちた住宅街にやって来る古代。3年ぶりの娘との対面に、緊張の面持ち。(ここでかきあげる前髪に、チラっと富士額が見えるんです。古代が富士額だったって初めて知ったよ!!富士額の見えるシーンはもう一ヶ所あります・w)

 リビングに入っても、誰も出迎えない…一人寂しく灯りをつけ、荷物をドサリと椅子に降ろし。古代は月明かりの差し込んでいたバルコニーへ通じる大きなサッシのロックを開けて、外に出ます。月夜(しかもほぼ満月)の晩は空が明るい……月の右側に視線を流すと、そこに輝いているのはあのアクエリアスの氷の海。(この部屋の調度、誰の趣味だろ?一人掛けのソファは全部赤だったし、どっちかというとさっぱりした内装。雪ちゃんの趣味というより古代の趣味で整えられたリビング、という感じがしました。しかもかなりの豪邸。バルコニーからは眼下に海?湖だかが見えるんですよ?劇場版「さらば」で、雪がリビングにカクテルテーブルを置いて、そこで私がカクテルを作るの、って言ってたような覚えがあるんですが、まさにそんな感じのリビングだし。)

 室内にあるのと同じ赤いソファに腰掛け、胸ポケットから雪の手紙を出す古代。
 
 あなた。海はどうですか——…。

(ここのシーンの古代、雪を想ってとても心を痛めているように思え
ました。台詞もなし、表情も硬いけど、きっと彼の中では雪への思いが溢れそうになっていたに違いないです。さっき真田さんに真っ先に雪の安否を尋ねなかった不満を、ここで帳消しにしても良いくらいだと思いましたよ…)
 その思いの糸を断ち切るように、背後から冷たい声が。「…帰ってたんだ」
 娘の美雪です。16歳、黒髪で富士額(w)。



<ERIのハテナ?>
 ねえねえなんで美雪は髪が黒いの?と思ったのは私だけではないでしょう。モッもしやこの子は、島のk…(うぐっ)と一瞬不埒にも思ってしまったことは無限の彼方に放り投げ。まあ、雪の髪は見事な金髪カラーリング、古代も茶色だし富士額だから何の不思議もないやということで一件落着(………殴★)。



「美雪」と声をかけ、3年ぶりの再会にちょっとドキドキしているパパですが、佐渡先生の動物病院からの帰りらしい娘はフン、とばかりに親父の横を素通りし、バルコニーへと。
「…お父さんのせいよ」
 お母さんがあんな事になったのは。
「お父さんは諦めていない、お母さんのことも」言い訳がましいなと思いながらも弁解しようとするパパ。でも、美雪は畳み掛けるように非難の言葉を投げつけます…(本当は甘えたいのだろうに、その気持ちの裏返し、だとわかる…)
……お父さんはヤマトに縛られてる。
「…ヤマトはもう沈んだの!あの海で眠ってるの!!」
 いい加減、あたしを見て!ヤマトじゃなく、あたしとお母さんの所に帰って来て!(←これはERIの解釈)
 叫ぶようにそう言って、美雪が指差したその先には、…あの氷塊が。
「お母さんは物わかりが良いフリしてただけ。本当はとても寂しかったんだよ。私の記憶に残るお母さんの笑顔は、いつもどこか寂しそうだった」——お母さんに、会いたい…!

 ここの台詞の応酬は、とても秀逸だと思いました。短い時間でこの父娘の確執と、妻の関わりを完璧に表現していて、しかも叙情的でその上説明的ではない。美雪はお父さんが実は大好きなんですが、お母さんをこの状況に追い込んだのはお父さんだと思っている。けれど、それがお父さんのせいではないことも分かっている…。
 夜空に輝く眠れる墓標を仰ぎ見ながら、誰のせいなの?と自問するような美雪の表情が切なくてとても愛らしいんです。色々な思いが台詞の後ろに隠れている秀逸なシーンです…

 ところが、娘に何と答えて良いのか躊躇う古代の胸ポッケの携帯が突然鳴ります…(この時代の携帯、どんなのだったんだろう。何回見ても小さくて、よくわかんなかったのが残念)。
 蜂の巣を突ついたような騒ぎの科学局の次郎から、緊急の呼び出し(次郎も携帯です。ただ、このシーンの次郎、一人なんですよね…。真田さんはどこ?寝てるのかな?ま、次郎は本部長だから、一人で指揮を執ることももちろんあるんでしょう……そういうことにしときましょうか)。
「第二船団が、消息を絶ちました!!」古代さん、すぐに戻ってください——!
「…わかった」
 携帯を切って、済まなさそうな視線を向ける父親に。「…行けば?」
 あたしのことなんか放っておけば?お母さんを放っておいたように…。
 行って欲しくないのに、「行けば?」と言ってしまう思春期ですなあ。



<ERIの、”あんまりだよ!”>
 ハテナ、というより、この劇中でもっともグッサリきたのが、実はこの古代の家でのシーンでした…言わずもがなっすよね?!だって、「あれ」が肉眼で夜空に見えるなんて……!!色んな意味で、色んな人にとって、アクエリアスを夜空に仰ぎ見続けた17年間は苦痛だっただろうと思いませんか?特に次郎や島のご両親にとっては。いや、もちろん、古代にとってもそうだったんじゃないかと言うのはありますが…ERIにとっても、その現実は非常にショッキングでございました…(…オリストで嫌ってほど書いたけど。それでも溜飲下がらねえよ!!)



 さて、古代が急ぎ赴いた科学局で。

 次郎が投影した第二次船団壊滅の状況をおののきつつ見る古代たち。
 第二次船団は、ほぼ壊滅。場所は、第一船団が襲われた1万7千光年の位置…。
 …やはり待ち伏せされていた、ということなのか?! 
 しかし、映像に残された敵戦艦の形状が記憶にあるものと違うことに気付いた古代。しかも3つ以上の違うフォームの戦艦が。複数の国家の連合艦隊ということだろうか……

 ここへ来て、ついに真田が古代に対し、特別任務に就くよう言い渡します。
 ——今は人気もない会議場…かつて、防衛会議が頻繁に開かれていたはずのホール。今、地球を守るための最後の指令を出すのは地球防衛軍総司令本部ではなく「地球連邦宇宙科学局、長官・真田志郎」——
「……やらせてください
。…雪のためにも、全人類のためにも」古代は第三次移民船団の護衛艦隊司令を引き受けます(まずは雪のため?…弔い合戦のつもりなのか…??)。

「お前の乗る船は、用意してある」

 ヤマトが、お前の還りを待っているんだよ——。


 驚く古代に、真田の背後から次郎がグッとサムズ・アップ。

 古代、お前という最後のカードを得て、ヤマトは甦る。お前が人類の希望なんだ、…古代。


(ここで、「完結編」の回想シーンが出て来るんです。…まあ、流れとしては良いんですが、絵が!絵が全然違うの…、初めてこの映画からヤマトを見た場合、古代も雪も別人にしか見えないんだわ。かつてのファンとしては感無量な回想シーン、沖田さんが一人ヤマトを駆ってアクエリアスに向かい、自爆、最後になぜか海に沈没するヤマト…までなんだけど…。うーん、入れ込むなら絵をね、どっちかをどっちかに合わせてリメイクして欲しかった。というか、それが自然じゃね?それをやって往年のファンに干されるのを恐れたのか?苦笑)


 
 注※ 文中の、人物のセリフはですね、ERIの記憶に改ざんされてる箇所が多いです。いくらなんでも、映画観てメモっただけじゃ全部のセリフは書き留められないよね!!文節の最初の文字を書き留める、という方法でやってますが、2時間ノンストップなんだもん。細かい部分は記憶で補うしかないんだす。

 



3)<アクエリアスへ…>へつづく